新型エルグランドは静粛性と極上の乗り心地で高い評価を得る一方、内装の質感や価格設定、装備のグレード格差に厳しい口コミが集まっています。
約16年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、第3世代e-POWERとe-4ORCEを引っ提げて登場したフラッグシップミニバンですが、購入前に知っておくべき落とし穴も少なくありません。
本記事では、自動車雑誌の専門家レビューやオーナーブログ、掲示板のリアルな口コミから見えてきたメリットと欠点・デメリットを徹底的に解説します。
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新型エルグランドの前評判と口コミ評価の全体像
2026年7月16日に正式発売された4代目新型エルグランドは、事前予約の段階から自動車業界やファンの間で大きな話題を呼びました。
新車価格は689万7,000円から757万9,000円(標準モデル)となっており、カスタムカーの「AUTECH」や最高峰「VIP」を含めると869万8,000円に達する価格帯です。
価格帯や車格から見ても、最大のライバルであるトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」の牙城を崩せるかどうかが最大の注目ポイントとなっています。
ネット上のクチコミ掲示板やSNSでは、フル電動駆動がもたらす滑らかな走りへの称賛がある一方で、700万円超という価格に見合う高級感があるのかという議論が巻き起こっています。
雑誌や専門家が高評価を寄せる新型エルグランドの強み
自動車情報誌『ベストカー』や試乗レポートを掲載する各種メディアでは、新型エルグランドの基本性能の高さに絶賛の声が寄せられています。
特に高く評価されているのは、日産が培ってきた電動化技術とシャシー制御がもたらす「圧倒的な走り」と「同乗者への快適性」です。
- 発電専用1.5L直列3気筒ターボエンジン(ZR15DDTe)と前後2モーターによる第3世代e-POWERの力強い加速
- フロント205PS/リヤ136PS、最大トルク500Nm超を発揮する電動駆動4輪制御「e-4ORCE」
- 4輪の減衰力を可変制御し、頭の揺れを大幅に抑制する「インテリジェント ダイナミックサスペンション」
- 高性能遮音ガラスとアクティブノイズコントロールによる「セルシオの再来」と評される圧倒的な静粛性
- 全高を160mm拡大したことで実現した、アルファードを凌ぐ快適性を誇る3列目シート
試乗した自動車ジャーナリストの岡本幸一郎氏は、アクセルを踏んだ瞬間に立ち上がるトルクの太さと車体の揺れにくさを高く評価しています。
また、渡辺陽一郎氏は「3列目の床と座面の間隔にゆとりがあり、総合的な座り心地は国産ミニバン随一」と太鼓判を押しています。
ディーラーの試乗ブログなどでも「段差を乗り越えた時の衝撃が驚くほど角が取れている」「交差点を曲がる際にミニバン特有のグラつきが一切ない」といった声が相次いでいます。

口コミやブログで語られる新型エルグランドの欠点とデメリット
専門家が走りを絶賛する一方で、一般ユーザーの試乗レビューや掲示板では、購入を躊躇させる具体的なデメリットや不満点が指摘されています。
検討中のドライバーが後悔しないために、語られている主な欠点を整理しました。
1. 内装の質感に対する不満(700万円超に見合う豪華さか?)
掲示板の口コミで最も多く見られるのが、「内装が価格に対して安っぽい」という指摘です。
特にアルファード40系ハイブリッドなどの競合車に乗るユーザーからは、デザインの方向性の違いに対する戸惑いが寄せられています。
- ノートやセレナと共通イメージを感じさせるステアリングデザイン
- エアバッグカバー周辺など、各所に残る未塗装樹脂の露出
- 艶消し木目調パネルがシンプルすぎて、昔ながらの分かりやすい豪華さに欠ける
- タッチパネルや液晶ディスプレイが中心で、重厚なラグジュアリー感が薄い
「北欧家具のようなモダンリビング」を目指した日産のインテリアコンセプト(紫檀・銀雪など)は好みが分かれる部分です。
メッキ加飾やピアノブラックを多用したギラギラ感のある高級感を求める層からは、「セレナの上級仕様に見えてしまう」という厳しい前評判につながっています。
2. 価格設定の高さとエントリーモデルの選択肢の狭さ
新型エルグランドは、全車に「第3世代e-POWER」と「e-4ORCE(4WD)」を標準装備しています。
純ガソリン車や2WD(前輪駆動)モデルの設定が存在せず、スタート価格が約689万円からとなっている点がハードルを上げています。
- 新型エルグランド(X e-4ORCE):689万7,000円〜(WLTCモード燃費:約14.8km/L)
- アルファード(Z ガソリン 2WD):540万円〜(WLTCモード燃費:10.6km/L)
- アルファード(Z ハイブリッド E-Four):642万円〜(WLTCモード燃費:16.7km/L)
アルファードのように500万円台から狙えるエントリーグレードが存在せず、さらに実用燃費数値でもハイブリッド専用設計の競合に一歩譲るため、予算重視のファミリー層からは敬遠されがちです。
3. グレード選びの罠と後付けできないオプション制約
雑誌の購入ガイドなどで強く警告されているのが、グレード間の装備格差とメーカーオプションの仕組みです。
特にボトムグレードの「X e-4ORCE」と上級の「G e-4ORCE」の間には、後から変更できない決定的な違いが存在します。
- シートベンチレーション(1列目・2列目)はG系のみで、X系には装着不可
- 「プロパイロット2.0」や「BOSEプレミアムサウンドシステム(22スピーカー)」はX系で選択不可
- 国内ミニバン初となる12.8インチ「シートバックパーソナルリヤモニター」は、専用のメーカーオプション取付パッケージ(1万6,500円)を新車注文時に付けていないとディーラーオプション本体が装着できない
注文後に「この装備を付けたかったのに選べない」と気付いても手遅れになるため、購入前の入念な仕様確認が必須です。
4. 電子制御や操作性の細かなクセ
一部の試乗レビューや口コミでは、スイッチ操作や日常の使い勝手に関する戸惑いも報告されています。
- 横スイッチ式の電制シフトは先進的だが、従来のレバー式に慣れていると直感的な操作に戸惑う
- トヨタ車のハイブリッドのように「電源OFFだけで即座にパーキングロックとブレーキが全自動連動する」挙動と作動条件が異なり、慣れを要する
- 車両重量が約2.5トン近くあるため、40〜60km/h付近の中間加速において爆発的な速さというよりは上品な加速フィールに留まる
歴代エルグランド(E52型)から引き継がれるメンテナンス上の注意点
先代となるE52型エルグランドは16年ものロングセラーモデルでしたが、長く乗る中でいくつかのウィークポイントが知られていました。
新型(E53型)を検討する上でも、大型高級ミニバン特有の維持管理リスクとして頭に入れておく必要があります。
- ブレーキ系統のフルード管理:重量級ボディのためブレーキへの負荷が大きく、定期的なフルード交換とキャリパーメンテナンスが必須
- パワースライドドアの経年劣化:重量級ドアを支えるゴムモールやアクチュエーターの摩耗による作動不良リスク
- 電動パーキングや電子制御サスペンションの整備性:高度な電子制御が組み込まれているため、足回りやブレーキ交換時のDIY難易度が高く、専用診断機を持つプロへの依頼が推奨される
新型はサスペンションやブレーキ制御がさらに高度化しているため、車検や定期点検は信頼できるディーラーや専門店へ任せるのが安全策と言えます。
自動車ライターとしての考察と今後の見通し
新型エルグランドは、トヨタのアルファード/ヴェルファイアと真っ向からぶつかる存在ですが、目指しているベクトルは明確に異なります。
アルファードが「威風堂々とした見た目」「誰が見ても分かる豪勢な内装」「圧倒的なリセールバリュー」を武器にするなら、エルグランドは「操る楽しさ」「酔いにくいフラットな乗り心地」「欧州プレミアムカーのようなモダンさ」に全振りしています。
筆者としては、この割り切りこそが日産の生き残り戦略だと評価しています。
トヨタの土俵で同じようなギラギラした押し出し感を競っても勝ち目はありません。
かつてセドリック/グロリアとクラウン、シーマとセルシオが競い合った時代のように、走りと技術の日産らしい個性を打ち出したことは大いに歓迎すべき点です。
一方で、700万円超を支払うオーナーが求める「所有欲を満たす高級感」の演出において、ステアリング周辺の質感など細部のツメに甘さが残るのも事実です。
先代E52型からの乗り換え判断としては、「3列目の居住性の低さや走りの重さに不満を感じていたオーナー」であれば、700万円超を投じる価値は十二分にあります。
しかし、「V6エンジンの重厚な吹け上がりや、昔ながらの分かりやすい豪華内装」に愛着がある場合は、ギャップを感じる可能性があるため必ず実車試乗での質感チェックをおすすめします。
法人需要やマイルドヤンキー層を取り込むのは難しいかもしれませんが、「家族を酔わせたくないドライバー」「自分で運転して気持ちいい大型ミニバンを求める層」には唯一無二の選択肢となります。
今後、街で見かける機会が増え、公道での実燃費や長期的な耐久性のデータが出揃うにつれて、エルグランド独自のポジションが確立されていくと考えられます。
新型エルグランドの評価まとめ
新型エルグランドは、16年ぶりの刷新にふさわしい走行性能と世界最高峰の静粛性を手に入れました。
第3世代e-POWERとe-4ORCE、電子制御サスペンションの組み合わせは、ミニバンの走りの概念を覆す仕上がりです。
その一方で、内装の質感に対する賛否両論や、全車4WD・e-POWER化による乗り出し価格の高さ、グレードによるオプション制限などの明確なデメリットも存在します。
見た目のゴージャスさや売却時のリセールを最優先するならアルファードが優位ですが、静かで快適な移動空間と運転の楽しさを重視するなら、新型エルグランドは試乗する価値が極めて高い一台です。
よくある質問
新型エルグランドの発売日と価格帯はいくらですか?
2026年7月16日に発売されました。標準モデルの新車価格は「X e-4ORCE」が689万7,000円、「G e-4ORCE」が757万9,000円です。カスタムモデルのAUTECHやVIPは最大869万8,000円となります。
ガソリン車や2WDモデルのラインナップはありますか?
新型エルグランドは全グレードが1.5Lターボエンジンを発電用に使用する「第3世代e-POWER」かつ4輪駆動の「e-4ORCE」専用設計となっており、純ガソリン車や2WDの設定はありません。
3列目シートの座り心地はアルファードと比べてどうですか?
全高が先代より160mm高くなったことで床面と座面の間隔が適正化され、大人が座っても膝が浮かず快適です。専門家の試乗テストでも、長距離移動時の座り心地は国産ミニバンで最も優れていると評価されています。

