新型エルグランドvsヴェルファイア!ライバル高級ミニバン対決の軍配は?

新型エルグランドvsヴェルファイア!ライバル高級ミニバン対決の軍配は? 未分類

日産「新型エルグランド」とトヨタ「ヴェルファイア」の比較において、最上級の静粛性と揺れの少ないフラットな乗り心地を求めるならエルグランド、圧倒的な押し出し感と高速域でのスポーティな走り、確立されたリセールバリューを重視するならヴェルファイアが最適な選択です。

16年ぶりの全面刷新に向けて公式な予告やコンセプト提示が進むエルグランドと、2023年6月にフルモデルチェンジを果たし市場を牽引する現行ヴェルファイアでは、設計思想と走行性能へのアプローチが明確に異なります。

新型エルグランドとヴェルファイアの対決構図とは?

国内の乗用車市場において、多人数乗車を可能にする3列シートミニバンは新車販売台数全体の約25%を占める重要カテゴリーです。

その頂点に君臨するLクラス高級ミニバン市場では、トヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」が市場シェアの9割近くを独占する状況が続いてきました。

この独占状態に対し、長らくフルモデルチェンジが行われていなかった日産エルグランドが、次世代フラッグシップとして本格的な復活への動きを加速させています。

日産は2023年秋の「ジャパンモビリティショー2023」において、次世代エルグランドを示唆する次世代高級EVミニバンコンセプト「ニッサン ハイパーツアラー」を世界初公開しました。

展示会場で行われたプレスカンファレンスにおいて、日産首脳陣は日本の高級ミニバン市場における伝統的なフラッグシップの重要性を強調し、電動化技術と自動運転技術を融合した次世代プレミアムツアラーの投入を明言しました。

一方、トヨタは2023年6月21日に4代目となる新型ヴェルファイアを正式発売しました。

兄弟車アルファードがラグジュアリー路線を極める一方で、ヴェルファイアは専用のボディ補強ブレースや専用チューニングサスペンション、2.4Lガソリンターボを搭載した「ドライバーズミニバン」として明確な個性と高い支持を獲得しています。

ボディサイズと外観デザインの迫力はどう違うのか?

車体寸法とスタイリングのアプローチにおいて、両車は迫力の表現手法と日本の道路環境への適合性で対照的なアプローチをとっています。

  • 新型エルグランド(開発予想値・コンセプト反映):全長約4995mm × 全幅約1895mm × 全高約1930〜1975mm(ホイールベース約3000〜3165mm)
  • ヴェルファイア Z Premier(トヨタ公式値):全長4995mm × 全幅1850mm × 全高1945mm(ホイールベース3000mm)
  • 先代(E52型)エルグランド(日産公式値):全長4975mm × 全幅1850mm × 全高1815mm(ホイールベース3000mm)

2010年に登場した先代E52型エルグランドは、全高を1815mmに抑えた「低重心パッケージ」を採用し、セダンライクな操縦安定性を追求しました。

しかし、Lクラスミニバンの購買層が求めた圧倒的な見晴らし感や室内高、スクエアな押し出し感において、全高1900mm超を誇るアルファード・ヴェルファイアに市場シェアを奪われた歴史的背景があります。

この教訓を踏まえ、次期型エルグランドは全高を大幅に引き上げ、縦基調の重厚なフロントマスクとワイドなスタンスを備えたプロポーションへ回帰する設計が進められています。

デザイン面において、ヴェルファイアは水平基調の大型フロントグリルと専用のダークチタン調加飾、19インチ大径アルミホイールを採用し、アグレッシブかつ威風堂々としたスタイリングを確立しています。

一方の新型エルグランドは、最新の日産デザインランゲージであるデジタルVモーションや緻密なライティングシグネチャーを取り入れ、先進的で洗練されたモダンラグジュアリーを表現する見込みです。

ただし、車体サイズにおいて最も注意すべき点は「全幅」の実用性です。

ヴェルファイアは日本の都市部に多い機械式立体駐車場の標準的なパレット制限である「全幅1850mm」を維持して設計されています。

これに対し、グローバル展開や室内幅の最大化を見据えて全幅を1895mm前後に拡大すると見られる新型エルグランドは、車格感が増す反面、パレット幅制限のある駐車場では入庫不可となるケースが想定されます。

自宅や職場の駐車環境に1850mm制限がある場合、全幅寸法が購入可否を分ける決定的な判断要素となります。

内装の質感・快適装備・3列目シートの居住性を比較

室内空間の快適性とユーティリティに関しては、後席乗員をもてなす仕立てと長距離ドライブでの疲労軽減において両社のこだわりが凝縮されています。

コックピット周辺と先進インターフェース

ヴェルファイアは、ドライバーを包み込むようなクルーザー調のインパネ形状に、12.3インチTFTカラーメーターと14インチHDディスプレイオーディオを配置しています。

シフトレバー周辺やセンターコンソールには本革や木目調パネルが惜しみなく奢られ、物理スイッチとタッチ操作がバランスよく調和した重厚なコックピットです。

新型エルグランドは、日産の最新フラッグシップEV「アリア」や「セレナ」の上位モデルで培われた、12.3インチ以上の大型液晶を水平に2枚並べた統合型ツインディスプレイの採用が確実視されています。

スイッチ類を極力減らし、静電タッチパネルと木目パネルを融合させた先進的かつクリーンな和モダン空間を構築する見込みです。

2列目エグゼクティブシートの居住性

ヴェルファイア「Z Premier」の2列目には、専用のエグゼクティブパワーシートが標準装備されています。

電動オットマン、シートヒーター、ベンチレーション機能に加え、手元でエアコンやオーディオ、サンシェードを集中操作できる脱着式スマートフォン型リモコンを備え、航空機のビジネスクラスを思わせる豪華な環境です。

新型エルグランドでは、歴代モデルで高い評価を得てきた「コンフォータブルキャプテンシート」がさらに進化します。

シートバックの中央部が前方に折れ曲がることで、リクライニング時でも頭部と視線を自然に前方に向けられる「中折れ機構」や、助手席側にも電動オットマンを標準化する設計が期待されています。

3列目シートの座り心地と格納構造

3列目シートの居住性は、多人数乗車を頻繁に行うファミリーや送迎用途にとって最大の比較ポイントです。

ヴェルファイアの3列目は、薄型化されたシート構造により足元空間や座面幅は先代より改善されているものの、左右跳ね上げ格納構造を成立させる制約上、座面クッションの厚みは2列目に比べてやや控えめです。

新型エルグランドは、長距離移動でも大人が快適に過ごせるよう、床面から座面までの高さ(ヒール段差)を十分に確保し、クッションの沈み込み量を重視したシート設計が計画されています。

格納方式については、先代E52型で荷室床面が高くなる原因となっていた「前倒し床下格納式」を見直し、左右跳ね上げ式を採用することで、荷室の天地高を大幅に拡大し、ゴルフバッグや自転車のスムーズな積載性を実現する見通しです。

パワートレイン・静粛性・走行性能の違い

走行メカニズムのアプローチは、両車のキャラクターを最も明確に分ける要素です。

パワートレインの基本スペック比較

  • ヴェルファイア(ハイブリッド・公式値):2.5L 直列4気筒「A25A-FXS」エンジン(190ps/236Nm)+ フロントモーター(182ps/270Nm)+ リヤモーター(54ps/121Nm[E-Four])、システム最高出力250ps、WLTCモード燃費17.5〜17.7km/L
  • ヴェルファイア(ターボガソリン・公式値):2.4L 直列4気筒直噴ターボ「T24A-FTS」エンジン(279ps/430Nm)+ Direct Shift-8AT、WLTCモード燃費10.3〜10.6km/L
  • 新型エルグランド(開発予想):第3世代「e-POWER」(1.5L VCターボ発電専用エンジン + 前後高出力モーター)、電動駆動4輪制御「e-4ORCE」標準搭載、システム最大トルク500Nm超想定

ヴェルファイアは、高効率な2.5Lハイブリッドシステム(THS-II)と、専用チューニングされた2.4L直噴ターボの2本立てです。

特に2.4Lターボは、アクセルレスポンスを高めた専用の8速ATと組み合わされ、2トンを超える巨体を力強く加速させるスポーティなドライビングプレジャーを提供します。

対する新型エルグランドは、可変圧縮比機構を持つ1.5L VCターボエンジンを発電専用として用い、100%モーター駆動で走行する「第3世代e-POWER」の搭載が確実視されています。

エンジンと駆動軸が直接機械的につながっていないため、アクセル操作に対して一切の遅れなくシームレスかつ強力なトルクが立ち上がる、電気自動車特有の走行フィールが最大の特徴です。

静粛性と遮音技術

静粛性に関しては、e-POWERと先進遮音構造を組み合わせる新型エルグランドが極めて高い優位性を発揮すると分析されます。

走行中にエンジンが駆動しないシリーズハイブリッドは、車速とエンジン回転数が分離されているため、発電エンジンを最も効率的かつ静粛な回転域にとどめる制御が可能です。

さらに、フロント・サイドへの遮音合わせガラスの採用や、逆位相の音波を出して車内のノイズを打ち消すアクティブノイズコントロール(ANC)により、高級セダンと同等の静寂空間が追求されます。

ヴェルファイアのハイブリッドも遮音対策は入念ですが、急加速時や登坂路では2.5Lエンジンが直接高回転まで吹き上がるため、エンジン透過音が車内に入り込みやすい特性があります。

街乗り走行や市街地クルージングにおける圧倒的な静けさを重視する場合、モーター駆動を主体とするエルグランドの完成度が際立ちます。

シャシー構造と乗り心地のセッティング

足回りの味付けとボディ剛性の方向性も大きく異なります。

ヴェルファイアは、TNGA(GA-Kプラットフォーム)をベースに、ラジエターサポートとサスペンションタワーを結合する「フロントパフォーマンスブレース」を専用装備しています。

さらに、微小なストローク域から減衰力を立ち上げる「周波数感応型ショックアブソーバー」を組み合わせることで、ミニバン特有の車体ロールを抑え、ステアリング操作に対してダイレクトに向きを変える俊敏なハンドリングを実現しています。

ただし、19インチタイヤとの組み合わせにより、路面の凹凸や継ぎ目を通過する際にはやや硬質な入力が乗員に伝わりやすい傾向があります。

新型エルグランドは、日産が誇る電動4輪制御技術「e-4ORCE」と「電子制御アクティブダンパー」の統合制御が採用される見込みです。

前後の強力なモーターが加減速時のピッチング(車体の前後の揺れ)を1万分の1秒単位で抑制し、路面のうねりや段差をしなやかに吸収します。

乗員の頭部揺れを最小限に抑えるフラットライドな乗り味は、同乗者のクルマ酔いを防ぎ、後席のVIPや家族に極上の移動時間を提供します。

価格帯とグレード展開の比較

車両本体価格とグレード構成においては、トヨタの選択肢の広さと、日産の装備充実戦略が対比されます。

  • ヴェルファイア Z Premier:ガソリンターボ 2WD 655万円〜 / ガソリンターボ 4WD 674万8000円〜 / ハイブリッド 2WD 690万円〜 / ハイブリッド E-Four 712万円〜(※最上位Executive Loungeは892万円〜)
  • 新型エルグランド(市場予想価格):ベースグレード 600万円台後半〜 / 上級グレード 700万〜800万円台前半 / AUTECH仕様 800万円台後半〜

現行ヴェルファイアは、下位グレードをあえて設定せず、上級仕様の「Z Premier」と最上位「Executive Lounge」に絞り込んだプレミアム戦略を採用しています。

ガソリンターボの2WDであれば600万円台中盤から選択可能であり、装備内容とブランド力に対するコストパフォーマンスは依然として高い競争力を誇ります。

新型エルグランドは、e-POWERとe-4ORCE、電子制御サスペンション、先進の運転支援技術「プロパイロット2.0(高速道路単一車線ハンズオフ機能)」などを標準またはセットオプション設定するため、実質的な乗り出し価格は700万円台から800万円台が中心になると予想されます。

日産のカスタムカーブランドである「AUTECH(オーテック)」仕様が設定された場合、専用の内外装やダーククローム加飾が施され、900万円前後のフラッグシップ価格帯をカバーする見込みです。

記者としての視点・考察・今後の見通し

かつて1997年に初代E50型が登場した際、エルグランドは「キング・オブ・ミニバン」として日本の高級ミニバン市場そのものを創造したパイオニアでした。

しかし、2002年のアルファード登場、そして2008年のヴェルファイア登場以降、FFプラットフォーム化による室内空間の拡大や押し出しの強いデザイン戦略において後手に回り、E52型では約16年間もの長きにわたり全面刷新が見送られる事態となりました。

この間、国内のLクラスミニバン市場はトヨタの独占状態となり、ヴェルファイアは強固なリセールバリューとステータスシンボルとしての絶対的なポジションを確立しました。

しかし、筆者が日産の開発動向やコンセプトカーを取材・分析する中で感じるのは、今回の新型エルグランドが単なる「トヨタ追従の背高ミニバン」ではないという点です。

日産は、独自技術であるVCターボe-POWER、e-4ORCE、プロパイロット2.0を全面投入することで、単なる空間の広さ競争から「電動化時代の最上級移動モビリティ」へと戦場を再定義しようとしています。

ヴェルファイアが「ドライバーズミニバンの最高峰」としてダイレクトな操縦性と圧倒的な押し出し感を研ぎ澄ませたのに対し、新型エルグランドは「EVライクな超静粛空間と揺れない乗り心地」という明確な差別化を図っています。

納期問題や生産枠の制約を抱える市場環境において、本格的な刷新を遂げる新型エルグランドの投入は、固定化されたLクラスミニバン市場に大きな競争と選択肢をもたらすことは間違いありません。

新型エルグランドとヴェルファイアの選び方まとめ

新型エルグランドとヴェルファイアの選択は、購入者が移動空間に何を求めるかによって結論が分かれます。

  • 新型エルグランドがおすすめな人:電気自動車のような静粛性と滑らかな加速を好む方、長距離移動で同乗者の疲労やクルマ酔いを最小限に抑えたい方、先進のハンズオフ運転支援(プロパイロット2.0)を活用したい方、落ち着いたモダンラグジュアリーな内装を好む方
  • ヴェルファイアがおすすめな人:街中で圧倒的な存在感を放つ迫力のデザインを求める方、ドライバー自身がキビキビとしたスポーティな走りを楽しみたい方、一般的な立体駐車場の1850mm全幅制限をクリアしたい方、将来的なリセールバリューの安定感を重視する方

両車の工学的特徴やサイズ制約を自身の使用環境と照らし合わせ、最適な一台をご検討ください。

よくある質問

新型エルグランドとヴェルファイアで機械式立体駐車場に入りやすいのはどちらですか?

ヴェルファイアです。ヴェルファイアは全幅が1850mmに抑えられているため、都市部に多い1850mm制限の標準的な立体駐車場に対応しています。新型エルグランドは全幅が約1895mm前後へ拡大される見込みのため、利用する駐車場の寸法制限を事前に確認する必要があります。

静粛性と乗り心地のフラット感で選ぶならどちらが有利ですか?

静粛性とフラットな乗り心地を最優先する場合は、新型エルグランドが有利と予想されます。エンジンが駆動に関与せずモーターのみで走るe-POWERと、前後の揺れを緻密に抑制するe-4ORCEの組み合わせにより、ロードノイズや車体のピッチングが極めて少なく抑えられます。

ヴェルファイアのガソリンターボとハイブリッドの走行フィールの違いは何ですか?

2.4Lガソリンターボは8速ATとの組み合わせにより、アクセルを踏み込んだ瞬間からのダイレクトな加速感と力強いエンジンサウンドを楽しめるスポーティな味付けです。2.5Lハイブリッドはモーターアシストによるスムーズな出足と優れた実用燃費、日常域での静粛性に強みがあります。

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