日産は2026年7月16日、16年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施し、4代目となる新型エルグランドを正式発売しました。
車両本体価格はエントリーグレードの「X e-4ORCE」が689万7000円(税込)、上級グレード「G e-4ORCE」が757万9000円(税込)となっており、最上位仕様やフルオプション装備車では乗り出し1000万円を突破するプレミアム価格帯へと進化しています。
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新型エルグランドの最安値と価格帯はいくら?グレード別設定と標準装備
新型エルグランドの最安値は、ベースグレード「X e-4ORCE」の689万7000円(税込)です。
ラインナップは「X e-4ORCE」と「G e-4ORCE」の2グレード展開に集約され、全車に第3世代「e-POWER」および電動駆動4輪制御「e-4ORCE」が標準搭載されています。
先代モデルのように300万円台から狙える純ガソリン仕様や前輪駆動(2WD)モデルは廃止され、実質的なエントリー価格は大幅に引き上げられました。
- X e-4ORCE(4WD):689万7000円(税込)
- G e-4ORCE(4WD):757万9000円(税込)
上位グレードの「G e-4ORCE」は、「X e-4ORCE」に対して68万2000円高い設定となっています。
この価格差により、通信機能を含む14.3インチ大画面統合型インフォテインメントシステム、1列目・2列目シートベンチレーション、後席専用モニター、100V・1500W電源コンセント、プロパイロット渋滞時ハンズオフ機能などが標準装備に追加されます。
ボディカラーは全5色がラインナップされており、特別塗装色を選ぶ場合は追加オプション費用が必要です。
- プレミアムホワイト:6万500円
- ミッドナイトブラック:6万500円
- シゴク(至極):7万5900円
- フジドーン+シゴク(2トーン):25万3000円
- ダークメタルグレー:標準設定色(追加料金なし)
インテリアカラーは、上位の「G e-4ORCE」に「紫檀(シタン)」および「銀雪(ギンセツ)」の2色が用意され、「X e-4ORCE」には「ダークメタル」が専用設定されています。
新型エルグランドで1000万超えとなる理由と見積もり内訳
新型エルグランドは、最上位グレード「G e-4ORCE」に主要メーカーオプションやカスタム架装を追加することで、支払総額が確実に1000万円を超えます。
高価格化の決定打となっているのが、最先端の運転支援技術やハイエンド音響システムを統合した高額パッケージオプションの存在です。
特に「G e-4ORCE」専用メーカーオプションの「BOSEプレミアムサウンドシステム(22スピーカー)+高遮音ガラス+プロパイロット2.0」セットは73万2600円(税込)に設定されています。
項目名 仕様・オプション内容 価格(税込)
車両本体価格 G e-4ORCE(最上位グレード・4WD) 7,579,000円
メーカーオプション① BOSEプレミアムサウンド+プロパイロット2.0等 732,600円
メーカーオプション② 特別塗装色(フジドーン+シゴク 2トーン) 253,000円
メーカーオプション③ ツインガラスサンルーフ 154,000円
メーカーオプション④ クリアビューパック(寒冷地仕様等) 33,000円
オプション合計 主要メーカーオプション4点 1,172,600円
車両+MOP小計 工場出荷時合計価格 8,751,600円
ディーラーオプション フロアマット、ドアバイザー、ボディコーティング等 約350,000円
諸費用 税金、自賠責保険料、登録諸手数料(概算) 約350,000円
フル装備乗り出し総額 通常カタログモデル・最上位仕様 約9,450,000円
通常カタログモデルのフルオプション仕様でも乗り出し価格は約950万円に到達します。
ここに日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手掛ける特装車「AUTECH」や、専用2座独立リアシートを備えるVIP仕様を選択した場合、車両本体価格自体が800万円台後半から900万円台へと跳ね上がり、乗り出し総額は1000万〜1100万円規模に達します。

「新型エルグランドは高い」と言われる背景と大幅値上げの理由
先代(3代目)の最終型が約400万円台前半から購入可能だったことに対し、新型の「約690万円から」という設定が高額に映るのは、プラットフォームからパワートレインまで全車ハイエンド設計へ全面刷新されたためです。
従来のような廉価版純ガソリンモデルを完全に廃止し、発電専用1.5L直列3気筒可変圧縮比ターボエンジン(ZR15DDTe)と「5-in-1」電動ユニットを融合させた第3世代e-POWERのみを採用しました。
さらに、前後2基の高出力モーターをミリ秒単位で協調制御する四輪駆動システム「e-4ORCE」と、4輪独立で減衰力を制御する「インテリジェントダイナミックサスペンション」がベースグレードから全車標準装備されています。
- 第3世代e-POWER:最大トルク500Nm超を発揮し、4.5L級V8自然吸気ガソリンエンジンに匹敵する圧倒的な加速性能
- 電動駆動4輪制御「e-4ORCE」:前後駆動力と4輪ブレーキを精密に統合制御(全車標準)
- インテリジェントダイナミックサスペンション:ロールやピッチングを抑える電子制御可変ダンパー(全車標準)
- アクティブ・ノイズ・コントロール:逆位相の音波でロードノイズとエンジン音を打ち消す静粛化技術
- スムースストップ制御:停車直前のカックンブレーキと車体前傾揺れを自動で打ち消す制御
- 14.3インチ統合型インターフェース:視線移動を最小化する大型ツインディスプレイ
これらの高度な走行制御デバイスと遮音構造がベース車両の骨格にすべて組み込まれています。
安価なトリムを用意して見かけ上の最安値を下げる手法をあえて捨て、プレミアムツアラーとしての基本走行性能を全車に持たせたことが価格帯上昇の構造的背景です。
ライバルであるトヨタ・アルファードとの価格・装備・燃費比較
同等駆動方式で比較した場合、新型エルグランド「X e-4ORCE」はアルファード「ハイブリッドZ E-Four」より車両本体価格で約28万〜33万円高い設定となっています。
比較項目 新型エルグランド X e-4ORCE トヨタ アルファード ハイブリッドZ E-Four
車両本体価格(税込) 6,897,000円 6,570,000円(※一部改良後 約662万円)
パワートレイン 1.5L ターボ発電 + シリーズハイブリッド 2.5L 直4 + パラレル/シリーズハイブリッド
駆動方式 e-4ORCE(前後ツインモーター4WD) E-Four(電気式4WD)
システム最大トルク 500Nm超(圧倒的加速力) 約390Nm(実用十分)
サスペンション 電子制御可変ダンパー標準 周波数感応型ショックアブソーバー
2列目シート仕様 セパレートシート(手動調節) エグゼクティブパワーシート(半電動)
100V・1500W電源 オプション設定(99,800円) 標準装備
純正ナビ・運転支援 セットオプション(249,700円) 標準装備(コネクティッドナビ対応)
WLTCモード燃費 16.8 km/L 17.4 〜 18.0 km/L
装備内容と価格の絶対的な損得勘定を比較すると、標準装備の充実度や量産効果の恩恵を受けるアルファードの方が実質40万〜60万円相当割安に設計されています。
2列目シートの豪華なギミックや購入時の初期コストパフォーマンスを最重視するならアルファードが適しています。
一方で、新型エルグランドが決定的な優位性を持つのは動力性能と操縦安定性、そしてキャビンの静粛性です。
モーター駆動が生み出す最大トルク500Nm超の加速力、電子制御サスペンションによるカーブでの車体傾き抑制、横風に対するスタビリティは、全高1900mm超のミニバンでありながらプレミアムSUVを操っているような走行フィールを生み出します。
新型エルグランドの購入判断とグレード選びの最適解
新型エルグランドの購入において後悔を防ぐための判断基準と、月々の支払額・リセール残価率の目安を整理します。
「X e-4ORCE」が向いている人
車両本体価格を600万円台に抑えつつ、上質な電動走行フィールを味わいたいユーザーには「X e-4ORCE」が適しています。
ただし、純正ナビ機能を含む日産コネクト14.3インチディスプレイ、ETC2.0、前後ドライブレコーダー、プロパイロット渋滞時ハンズオフがセットになったオプション(24万9700円)の装着は必須条件です。
これらを省いた場合、日常の実用性が大きく損なわれるだけでなく、数年後の売却査定時にも不利に働くためです。
「G e-4ORCE」が向いている人
「X e-4ORCE」に必要なナビ系オプション(約25万円)と100V・1500W電源コンセント(約10万円)を追加すると、総額は約725万円となり、上位「G e-4ORCE」(757万9000円)との実質的な価格差は約33万円まで縮小します。
この約33万円の差額で、1列目・2列目シートベンチレーション、上級シート表皮、後席専用モニター、プラズマクラスターエアコンなどが一括で手に入ります。
さらに「G e-4ORCE」のみ、高速道路完全ハンズオフを実現する「プロパイロット2.0」や「BOSEプレミアムサウンド」を追加装着可能です。
長期的な満足度やリセールバリューを最大化したい場合は、最初から「G e-4ORCE」を選択するのが最も費用対効果の高い決断となります。
残価設定ローン(残クレ)とリセール残価率の目安
高額化した新型エルグランドを検討する際、残価設定型クレジット(残クレ)を利用するユーザーが大半を占めると見込まれます。
- 3年後・残価率の目安:約55%〜60%(G e-4ORCE・プロパイロット2.0装着車)
- 5年後・残価率の目安:約40%〜45%
- 月々の支払額イメージ(頭金100万円・ボーナス払いなし・実質年率3.9%想定):X e-4ORCE(支払総額約730万円・5年残クレ):月々約6万8000円〜7万4000円G e-4ORCE フルOP(支払総額約950万円・5年残クレ):月々約8万9000円〜9万6000円
初期費用を抑えてプレミアムツアラーに乗る場合、月々7万〜9万円台の支払い計画が現実的なシミュレーション基準となります。
記者としての考察と今後の見通し
16年ぶりの刷新となった4代目エルグランドの価格設定と商品構成を見て、筆者は日産の非常に割り切ったポジショニング戦略を感じ取っています。
王者アルファードに対して正面から「豪華絢爛さの安売り競争」を挑むのではなく、日産が得意とする電動化技術(第3世代e-POWER)とシャシー制御(e-4ORCE+電子制御可変サス)を全面に押し出し、「走りのフラッグシップツアラー」として再定義した点は高く評価できます。
ミニバンでありながらドライバーズカーとしての質感を徹底的に磨き上げたことで、これまで「アルファードの穏やかすぎる乗り味に馴染めなかったSUV・セダン派のドライバー」や「先代エルグランドのハンドリングを愛し続けてきた既存オーナー」に対する強力な受け皿となっています。
販売面においては、最安値が約690万円からという高額設定であるため、アルファードほどの月販台数を記録することは難しいと考えられます。
しかし、日産としては薄利多売を狙うのではなく、1台あたりの利益率とブランド価値を高めるプレミアム戦略へ舵を切ったと見るのが自然です。
今後は、さらなる走りの質感を追求した「NISMO」バージョンの追加や、より押し出し感を強めたフロントフェイスを持つ追加グレードの投入など、バリエーションの拡充が進むと予想されます。
「ミニバンの形をした高級グランドツーリングカー」という独自の価値に約700万〜1000万円の予算を投じられるかどうかが、購入検討者にとって最大の判断基準となるでしょう。
新型エルグランドの総括まとめ
- 新型エルグランドは全車「e-POWER」×「e-4ORCE(4WD)」を搭載し、最安値は「X」の689万7000円
- 最上位グレード「G」にフルオプションや特装カスタム(VIP等)を施すと、支払総額は1000万円超に達する
- 単純な装備の割安感や2列目の豪華さではアルファードが優位だが、走りの力強さ・走行安定性・静粛性では新型エルグランドが大きくリードする
- オプションを複数追加する予定なら、上位グレード「G e-4ORCE」を選択する方が満足度とリセール面で有利になる
よくある質問
新型エルグランドにガソリン車や2WD(FF)の安いモデルは追加されますか?
現時点では第3世代e-POWERとe-4ORCE(4WD)の組み合わせのみとなっており、純ガソリン車や2WDモデルの設定予定はありません。走行性能と静粛性を高い次元で両立させるため、電動パワートレインに一本化されています。
新型エルグランドの納期や試乗車の配車時期はいつ頃ですか?
2026年5月28日に先行予約の受付が開始され、2026年7月16日に正式発売されました。全国の販売店へ試乗車が配備され始めたのは2026年7月下旬以降となっています。
アルファードと乗り心地を比べた場合、どちらが優れていますか?
直進時のゆったりとした柔らかさや静粛性を重視するならアルファードも優秀ですが、新型エルグランドは電子制御可変ダンパーにより、カーブでの車体の傾きや段差を乗り越えた後の揺り戻しが極めて少ないフラットな乗り心地を実現しています。車酔いしにくさや長距離走行の疲労軽減という観点では新型エルグランドが非常に高い評価を得ています。

